三重県津市で行った戸建て住宅カラーベスト屋根塗装の施工事例を掲載しています。
2階建て住居の屋根及び離れ1階建て住居の屋根塗装と屋根笠木板金修繕工事を行いました。
外壁の塗装は行いませんが、塗料の飛散防止のための仮設足場とネットの設置を含みます。
ページ下部では、今回の工事で使用した塗料の製品情報をまとめてあります。事例と併せて参考にしてください。
カラーベスト薄型スレート屋根|シリコン塗装
施工前
今回の物件は、カラーベスト屋根2棟分の塗り替え工事です。笠木板金の破損修繕は屋根業者さんに別途依頼しています。
施工後
早急に笠木板金を修繕し、2棟分の屋根を高耐候型屋根用塗料ヤネフレッシュシリコンの3回塗りで施工しました。
施工データ
塗料メーカー | エスケー化研(株) |
---|---|
使用塗料 | |
塗料名称 | 超耐久NAD型特殊シリコン樹脂塗料 |
期待耐用年数 | 6~8年 |
施工箇所 | 平屋住居の屋根及び2階建て住居の屋根 |
色調 | RC-113 |
施工メモ | 付帯部塗装サービス施工! |
施工前の状況
スレート瓦の色あせ
塗膜の色あせは見られますが、10年を目安に塗り替えていらっしゃるとのことで劣化状態は軽度です。
スレート瓦のひび割れ
瓦材のひび割れが数か所にみられますので高圧洗浄後にシーリング補修を行います。
笠木の破損
笠木板金が一部破損し、なくなっています。雨漏りは起こっていませんが屋根業者を早急に手配し修繕します。
玄関ポーチの屋根
玄関ポーチの小屋根は塗膜の色あせが見られる程度です。剥離している樋の塗装はサービスで塗装いたします。
離れ住居屋根の色あせ
離れ平屋の屋根は今回が1度目の塗装です。既存塗膜の色あせが顕著な状態です。
離れ住居屋根の苔汚染
数か所に苔の発生が見られますが、この程度の汚染は高圧洗浄で簡単に除去できます。
施工中の状況
足場工事
屋根の塗装のみですが、作業の安全対策と隣接への飛散防止ネット設置のため最低限の足場は必要です。
メッシュシートは近隣への洗浄水・塗料飛散防止なので今回は屋根の上下1.5メートルほどの設置です。
離れ平屋住居の屋根は非常に急こう配なので、屋根と並行に足場の設置を行う必要があります。
屋根瓦への設置部分は可動式のジャッキを取り付け、洗浄・塗装の際はゴムバンドで上昇固定します。
高圧洗浄
2階建て住居の屋根は旧塗膜の劣化が軽度で苔汚染もないのでストレート噴射で洗浄します。
高圧洗浄後の様子です旧塗膜は活膜ですので通常のストレート噴射でチョーキングもしっかり除去できます。
平屋1階建て住居の屋根は1度目の塗装塗り替えで、苔の発生もあるのでトルネード(回転)噴射で洗浄します。
高圧洗浄後の様子です。回転型の噴射は洗浄力が強いので頑固な苔汚染なども簡単に除去できます。
シーリング工事
数か所に細いひび割れが見られますので、プライマー塗布後ノンブリードシーリングで補修を行います。
シーリング材はひび割れの幅より広めに充填しておきます。乾燥硬化するまでに1~2日ほどかかります。
定期的な塗装を行っているので、築年数の割にひび割れの箇所は多くはありませんでした。
屋根塗装に限らずシーリング材に塗装する場合は非汚染タイプのノンブリードシーリングで施工します。
ブリード現象
ブリード現象とは、シーリング材に含まれている可塑剤(かそざい)という成分が、塗料と反応して塗膜表面ににじみ出る現象のことです。表面移行した可塑剤には粘着性があるので空気中のちり、ホコリ、雨水(水垢)などの汚れが付着し汚染が顕著になります。
以下の画像は外壁に発生したブリード現象の例です。
塗装工事の際、ノンブリードでないシーリング材を使用し、その上に塗装すると画像の様な非常に醜い状態になってしまいます。
塗料の種類(樹脂)によって差はあるものの施工後1~2年でブリード現象は発生します。
ブリード現象を発生させないためには非汚染タイプのノンブリードシーリング材を使用するのが鉄則です。
一般的なシーリング材に塗装するとブリード現象による粘着汚染でと塗装面が汚染されてしまいます。
ノンブリードタイプのシーリング材は多くのメーカーで取り扱いがあり即日入手できます。
下塗り塗装
下地の吸い込み止めと仕上げ塗料の付着を高めるためにエポキシ樹脂のプライマーを塗布します。
ローラーで塗装しにくい入隅部は刷毛で先行塗りします。板金は錆止め補修塗り後プライマーを塗布します。
刷毛の先行塗りが終了したら広い面はローラーを使って塗装していきます。
画像は下塗り前と下塗り後の比較です。クリアープライマーの塗膜は屋根材強化の効果もあります。
プライマーは速乾性ですが中塗りは翌日工程になります。1日1工程で施工することで塗膜の層が形成されます。
中塗り塗装
下塗り翌日に中塗り塗装を行います。ローラーで塗装しにくい範囲を刷毛で先行塗りします。
刷毛の先行塗りが終了したら広い面はローラーを使って塗装していきます。
下塗り塗装面と中塗り塗装面の比較です。下塗り面が透けないようにたっぷりと塗料を塗布します。
中塗り塗装と上塗り塗装は同じ塗料を使用します。施主様のご要望で色調は既存色で塗装します。
上塗り塗装
中塗り翌日に上塗り塗装を行います。板金周りの隙間を刷毛で先行塗りします。
刷毛の先行塗りが終了したら広い面はローラーを使って塗装していきます。
乾燥後に色が濃くなるのが塗料の性質ですので上塗り塗装で塗り忘れが起こることはありません。
3工程を延べ3日間かけて行うことで、3層の塗膜層が形成され耐久と美感が向上します。
スレート瓦の縁切りについて
【縁切りとは】瓦と瓦の隙間(溝)が塗料で塞がった場合、仕上げ塗料の乾燥後にカッターナイフや金ベラで塗膜に切り込みを入れ、隙間を復元します。
また、高圧洗浄後に※タスペーサーという専用の部材を挿し込み、事前に隙間を確保する施工法もあります。
瓦下方向の隙間は、大雨(強風)や瓦裏の結露などで溜まってしまう水分を排出させるための出口ですので、常に解放させておく必要があります。カッターナイフの縁切りもタスペーサーでの工法も目的は全く同じです。
※タスペーサー01は高圧洗浄後に施工
※タスペーサー02は下塗り乾燥後に施工
既存状態で極端に隙間が狭い場合や2度目、3度目の塗装で隙間が塞がってしまう可能性がある場合は縁切り(カッターナイフ、タスペー サー)の施工を検討しますが、3~4ミリほどの隙間が確保できる場合は縁切りは必要ありません。
部分的に塞がってしまった隙間 は、その部分だけカッターで縁切りをして隙間を確保すれば不具合は起こりません。
カッター、金ベラで縁切り
上塗り塗装が乾燥後、手作業で切り込みを入れます。屋根塗装と別途料金がかかります。
タスペーサーで縁切り
高圧洗浄後に必要量挿しこみます。(タスペーサー01)
屋根塗装と別途料金がかかります。
平屋住居の屋根塗装
敷地内併設の1階建て住居の屋根塗装も2階建て住居と同じ工程で行います。
付帯部破風板木部の塗装もご依頼いただいていますが、小面積なのでサービス施工で塗装させていただきました。
高圧洗浄
平屋住居の屋根は数か所に苔汚染が発生していますので、回転噴射式のトルネード洗浄を行います。
下塗り塗装
下塗りは塗料の付着性向上と屋根材強化のため2液硬化型のエポキシプライマーを塗布します。
中塗り塗装
下塗り塗料が硬化したら中塗り塗装を行います。ローラーで塗装できない隙間を刷毛で先行塗りします。
刷毛の先行塗りが終了したら広い面はローラーを使って塗装します。
屋根足場を浮かすための支えジャッキは中塗り塗料が乾燥するまで上昇固定しておきます。
上塗り塗装
中塗り塗料が完全に乾いたら(通常翌日)上塗り塗装を行います。塗装は刷毛の先行塗りから始めます。
中塗りと上塗りは同じ塗料を使用します。上塗り工程を翌日とすることで塗膜に厚みが付き耐久性が向上します。
上塗り塗料が完全に乾くまで支えジャッキは上昇しておき塗料乾燥後に速やかに復旧します。
付帯部塗装
破風板の下塗りを行う前にマジックロンペーパーで木部を研磨し塗装面を整えます。
破風板の釘がすべて錆びているので下塗りにエポキシ樹脂のさび止め塗料を塗布します。
破風板は2液硬化型のシリコン塗料で塗装します。サービス施工ですが3工程の塗装で仕上げます。
屋根足場を浮かすための支えジャッキは中塗り塗料が乾燥するまで上昇固定しておきます。
笠木板金の修繕
屋根の笠木板金が破損(欠損)してしまっているので早急に屋根業者を手配しました。
笠木板金の新規取付は通常の釘固定とビス止め固定で入念に行ってもらいました。
既存の笠木取り付け部もすべてチェックし、釘が緩んでいる個所はビス止め補強を行っています。
笠木板金を取り付ける前に既存部と新規取付のジョイント部にはさび止め塗料を塗布してあります。
足場解体工事
塗装がすべて終了したら施主様に仕上がりをご確認いただき足場解体の許可をいただきます。
戸建て住宅の場合、足場の解体撤去は半日から1日間で終了します。安全管理を徹底して作業します。
施工完了
製品情報
今回の工事で使用した塗料の種類をまとめてあります。
シーリング材
ひび割れの補修に使用
下塗り塗料
屋根の下塗りに使用
屋根用シリコン塗料
屋根の仕上げ塗りに使用
さび止め塗料
付帯部の下塗りに使用
シリコン塗料
付帯部の仕上げ塗りに使用
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