建物の塗装に用いられる塗料は「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「ラジカル抑制塗料」「フッ素」の4種類に分類できます。
グレードが高いほど耐用年数は長く設定されていますが、施工価格はその分高額になります。
いずれの塗料も、水で希釈して使用する「水性塗料」と、シンナーで希釈して使用する「油性塗料」の2種類に分けられ、塗装下地や立地環境によって使い分けています。水性塗料と油性塗料の特性を比較すると下記のようになります。
「水性塗料」➡臭気性が低く耐久性に優れるが鉄部への使用には不向き。
「油性塗料」➡耐久性に優れ下地を選ばず使用できるが若干の臭気性がある。
さらに「油性塗料」では、「1液型」と「2液型」の2種類のタイプがあります。
「1液型」は主剤のみで使用するタイプの塗料です。
「2液型」は主剤に硬化剤を混ぜて使用するタイプの塗料です。
「1液型」と「2液型」を比較すると、下記のようになります。
「1液型」➡材料を調合する手間がなく作業性が高いので「2液型」より施工価格が若干割安になります。
「2液型」➡材料を毎回調合するための手間がかかるため「1液型」より施工価格が若干割高になります。
塗料メーカーで設定されている耐用年数ですが、塗料のグレードという位置づけで分けられていて、「期待耐用年数」という形で設定されています。使用する機会の多い4種類の耐用年数を比較すると以下のようになります。
「ウレタン塗料」⇒8~10年
「シリコン塗料」⇒12~15年
「ラジカル塗料」⇒14~16年
「フッ素塗料」 ⇒ 15~20年
塗料の耐用年数と艶度の関係、特徴を見てみると下図のようになっていますので、メンテナンスプランの参考にしていただければと思います。
※年数は外壁塗装の場合の年数です。
塗料のグレードと耐用年数はほぼ比例しています。
図の中の耐用年数の数字はあくまで目安となる数字です。
建物の立地環境によって、耐用年数は変動する場合もあります。
同じ建物で施工価格を比べる場合、差額の基準は、塗料の仕入れ代金の差額だけです。
中でもラジカル抑制型の塗料は、最もコストパーマンスがよいと思われるので皆様にお勧めしています。
塗り替え工事のメリットである美観性(艶度)の維持年数は、塗料のグレードとほぼ比例しています。
ウレタンよりシリコン、シリコンよりフッ素とグレードの高い塗料の艶度が高い傾向にありますが、プロの職人でも並べて比較しなと分からない程度です。
塗料には3分艶、7分艶など調整できるものも多くありますが、艶調整をすると耐用年数が低下するともいわれていますので、当店では通常の艶あり塗料をお勧めしています。
塗装工事の目的は、建物の老朽化対策と美観の維持回復です。
塗料の種類によって耐用年数や施工価格が異なります。
費用対効果に極端な差はありませんので、各塗料の耐用年数がメンテナンスサイクルの参考になると思います。
劣化しにくい部分に安価な塗料を使用し、屋根など劣化しやすい部分に高価な塗料使用すると費用を抑えることができます。
外壁と屋根に安価な塗料はお勧めしていません。
水性塗料と油性塗料では、耐用年数に差はありません。
水性系の塗料は臭気性が低いため、周囲の環境に配慮が必要な住宅密集地などで多く使用します。
油性塗料の場合、若干の臭気がありますが、金属や木部への密着性が良好です。
それぞれの特性を生かした施工で、耐久性の向上に努めます。
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