シリコーンシーラントは、防水処理が必要な目地や隙間を埋めるために使用します。建物の外装ではエアコンホースカバーや通気口など設備部材と外壁の隙間や、テラスと外壁の接続部などで使用されています。
下地との密着性が良好で防水性が非常に高く耐候性にも優れます。ホームセンターなどで安価で購入でき、使い方も簡単なのでDIYなどで使用する機会も多いと思います。
塗料を弾くシリコーンシーラント
利便性の高いシリコーンシーラントですが、塗料との相性が悪く外壁塗装を行う際は上から塗装しても塗料を弾いてしまいます。
シリコーンシーラントを外装で使用する目的は、外壁内に雨水が浸入しないための防水対策ですので、上から塗装した塗料が弾かれても防水機能が低下するなどの不具合は起こりません。
例えばエアコンホース引き込みカバーと外壁の隙間に充てんされている場合、上から塗料が付着しなくても外壁内に水が浸入することはないのですが、部位によっては塗料弾きが塗り忘れのように見えて、美観的に施工不良を感じる要因となります。
塗装しても弾いてしまうシリコーンシーラントにはシリコーン樹脂系という種類で表示されています。
画像は黄色の塗料をシリコーン樹脂に塗布した状態ですが、塗料が弾かれて付着(着色)されないという例です。
変成シリコーンは塗装できる
塗装業者以外の建築業者の場合、シーリング後充てん(補修)後に塗装は行わないので、安価で扱いやすいシリコーンシーラントで施工する場合が一般的です。塗装業者がシーリング工事を行う場合は塗料を弾かない変成シリコーン(ノンブリード)を使用します。
上から塗装可能なシーリング材には変成シリコーン系という種類で表示されています。
シリコーンシーラントに塗装する方法
シリコーンシーラントは施工しやすく防水性も高いので、建築系の多くの業者が建物内外に使用しています。
美観性を求められる塗装塗り替え工事の現場では、たとえ小面積であっても塗料が付着しない状況を放置することはプロ職人としてあってはならないと思います。
付着性の高いシリコーンシーラントは簡単に除去することができず、ヘラなどで削り取った場合でもシリコーンの油がわずかでも残っていると塗料が弾かれてしまいます。
すべての塗装業者が行う作業ではありませんが、ハギシン塗装ではペインター20というシリコーンシーラント塗装用下地処理剤を使用し細部まできちんと塗装仕上げを行っています。
シリコーンシーラント塗装下地処理剤ペインター20
信越化学工業というメーカーが製造販売しているペインター20は、無希釈で使用する1液硬化型ですので、適用部位への施工が非常にスムーズに行えます。塗布後の乾燥時間も早く約30分後(20℃)には上から塗装することが可能です。
ペインター20|水性塗料仕上げの場合
ペインター20で処理後の塗装は、油性(弱溶剤)塗料の付着性は良好ですが、水性塗料は付着しにくい場合があります。
メーカーの仕様書には「水性塗料には適しません」と記載されています。水性の下塗りや仕上げ塗料を塗布した場合でも弾いたり変色したりするなど著しい不具合はありませんが、水性仕上げの場合は、ペインター20で処理を行った部位に油性プライマーを塗布し、油性塗膜の下地を形成してから水性塗料で施工する方が好ましいといえます。
油性塗料仕上げの場合
ペインター20塗布→油性塗料で施工
水性塗料仕上げの場合
ペインター20塗布→油性プライマー塗布→水性塗料で施工
ペインター20の施工料金
通常の外壁塗装現場では、シリコーンシーラントが使用されている箇所は部材周りなど小面積ですので、ペインター20での下地処理は無料で施工いたします。
以下画像のように外壁のひび割れ補修などで広範囲にシリコーンシーラントが充てんされている場合は、別途費用をいただく場合もありますが、よほど広範囲でない限り無料サービスで施工いたします。
10m以内(20mm幅) | 無料でサービス施工いたします |
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10mを超える範囲(20mm幅) | 1mあたり110円(税込み) |
※ペインター20による施行で費用が発生する場合は、見積もり時のご説明とお見積書項目への工事名の記載を行います。