三重県津市の戸建て住宅外壁塗装、付帯部塗装の施工事例を掲載しています。
実際の施工風景画像を使って、塗装工事の工程をわかりやく解説しています。
ページ下部では、今回の施工で使用した塗製品情報をまとめてあります。事例と併せて参考にしてください。
戸建て住宅|外壁ラジカル塗装・付帯部シリコン塗装
施工前
1階北面外壁の、コケ・水垢汚染が目立ちます。 旧塗膜のチョーキングも顕著な状態なので、塗膜の耐候性も低下している時期になります。
施工後
外壁は、高耐候水性ラジカル塗装を施工し、軒天井に防カビ塗装・その他付帯部は、シリコン塗装で施工しました。色調はアイボリー、ブラウン、ブラックでまとめました。
施工データ
塗料メーカー | エスケー化研(株) |
---|---|
使用塗料 | |
塗料名称 | 超耐候形水性ハイブリッドシリコン樹脂塗料 |
期待耐用年数 | 14~16年 |
<施工箇所 | 外壁、軒天、破風板、雨樋、戸箱、他 |
色調 | 外壁:SR-111 付帯部:15-30B |
施工メモ |
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施工前の状況

建物の周囲の環境は多くの樹木に囲われています。日光の当たりにくい北面の外壁では、樹木の影響による汚染が顕著です。

建物北面は、コケ類、藻、水アカ汚染が顕著ですが、これらの汚染は塗装工程前の高圧洗浄で簡単に除去できます。

付帯部分の軒天、破風板、雨樋も外壁と同じく色あせと汚染が顕著な状況です。

戸箱の板金部は色あせが目立ちます。段差の深い形状の為、仕上がりを考慮して吹き付け塗装の予定です。

外壁目地周辺に発生しているひび割れは、シーリング材で補修を行います。
ひび割れの隙間が広い場合は、高圧洗浄による水の侵入の可能性がありますので、状態に応じて洗浄前に補修工事を行うこともあります。

塗装工事の際は、ノンブリードタイプのシーリングを使用します。ノンブリードでないシーリング材を使用するとブリード現象が発生し、早ければ施工後ば1~2年で粘着性汚染を引き起こします。

塗装を前提としたノンブリードタイプのシーリング材は、多くの建材メーカーから発売されています。
ブリード現象についての知識がない塗装業者が通常のシーリング材で施工すると、画像内のようなブリード汚染が確実に発生してしまいます。
施工中の状況
足場工事

塗装工事用の仮設足場設置完了の様子です。
洗浄時の汚染水や塗料の飛散を防止するためのネットの設置を含め、足場工事は通常1日間で終了します。
高圧洗浄

エンジン式の高圧洗浄機を使用して、コケや水アカなどの汚れを徹底的に除去していきます。高圧洗浄は、通常1日間で終了します。

洗浄ガンには、水圧調整用のハンドルがついているので、エアコン室外機などの裏側は水圧を落として洗浄します。(画像撮影のためエアコンカバーを外しています)
シーリング工事

シーリングプライマーを塗布する前に、マスキングテープを貼って補修ラインを揃えますが、この上に3回塗装するので補修のラインは目立たなくなります。

ノンブリードタイプのシーリング材を充てんしています。
ノンブリードタイプのシーリング材には、NBまたはノンブリードと表記されています。

シーリング充填後、マスキングからはみ出さないように丁寧にならしていきます。完全に硬化してしまうと、マスキングテープの撤去が困難なので、速やかにテープを撤去します。

外壁目地周辺のシーリング補修が完了した様子です。
補修箇所の深さや施工時期(季節)によって異なりますが、シーリング材が完全硬化するまで1日~3日間程度かかります。

既存シーリング部に小規模ですが劣化が見られるので、増し打ち補修していきます。サイディングボードの様に目地が設けられている場合は、既存シーリングを撤去し打ち替えを行います。

小庇と外壁の繋ぎ目も同様に増し打ち補修していきます。外壁と部材が直付けされている個所は既存シーリングの撤去が困難ですので、増し打ち補修を行うのが通常です。

既存のシーリングが劣化している部分はすべて補修していきます。
塗装工程前のシーリング補修は、建物の機能性・耐久性に大きく影響する重要な工程です。塗装してしまえば見えなくなるような微細な破損箇所であっても見過ごすことなく徹底的に補修しておきます。
養生工事

塗装しない部分をビニールマスカーで養生していきますが、エアコンホースなどは、取り外し可能ならば外壁から離しておきます。

玄関や勝手口などの出入り口は、常時開閉できるように鍵穴を確保し、扉の開閉に支障がないように養生しています。

養生工事はシーリング工事が終了してから行います。
工事期間中の養生期間をできる限り短くするようにしています。
下塗り(付帯部)

養生工事が終了後、破風板など付帯部の下塗り塗装を行います。

破風板、鼻隠し、屋根板金の下塗り塗装完了です。
下塗り塗装には、付着性・耐久性とも良好な、エポキシ樹脂のさび止め塗料を使用しています。シーラーや木部用の下塗り塗料にはさび止め効果がないので、ビスや釘などの金属類が使われている部位にはさび止め塗料が効果的です。
軒天塗装

軒天にセラミック配合の防カビ塗料を塗布しています。
軒天は、雨水や紫外線の影響を受けにくいので、同じ塗料を2回塗りで仕上げていきます。

玄関付近の軒天が仕上がりました。
同じ塗料を重ね塗りしますが同日に2回塗装することはなく、別日工程に分けて塗装することで2層の塗膜を確保します。
外壁塗装

外壁はリシンという砂粒状の形状なので、塗膜の厚みをつけるために粘度の高いフィーラーという下地調整塗材を使用します。
白色の塗料が下地調整塗材です。

リシン外壁の下塗り塗装が完了した様子です。
フィーラーは粗面下地に最適な下地調整塗材です。砂粒状の隙間が埋まるので、外壁表層が滑らかに仕上がります。

下地が整った外壁に、中塗り塗料を塗布していきます。
下塗り塗装を行った同日に、中塗り塗装を重ね塗りすることはせず、後日に行います。

サッシ廻りは養生しますが、刷毛で縁取りのように先行塗装し、広い部分をローラーで塗装していきます。

外壁の中塗り塗装完了風景です。
中塗りが完全に乾燥してから、最終仕上げの上塗りを塗布していきます。通常は中塗りの翌日に上塗りを仕上げます。

出入り口の扉は常時開閉できるように養生しますが、上塗り塗装が乾燥後に速やかに撤去します。
付帯部の塗装

雨樋の留め金具が緩んでいるのでビスで補強しています。
作業中に気が付いた破損部などは積極的に補修いたします。もちろん追加費用はいただきません。

付帯部の破風板に中塗り塗装を塗布しています。瓦の際など細かなところを刷毛で塗装し、広いところをローラーで塗装します。
上塗り塗装は後日に行います。

破風板の上塗り塗装中です。
劣化状態によりますが、付帯部の塗装は2回塗りで仕上げる場合もあります。今回の破風板塗装は3回塗りで行っています。

雨樋に1度目の塗装を行っています。
雨樋は製品として強度が高く、新規取付から25年ほどの耐久年数があるので、2回塗りで仕上げます。

雨樋の上塗り塗装中です。
今回の工事では、付帯部塗装はすべて2液硬化型のシリコン塗料で塗装しています。

水切り板金の塗装中です。
板金部分は、さび止め塗装を含む3回塗りで仕上げていきます。
既存状態が良好なら、上塗り2回塗りで問題ありません。

水切り板金の上塗り塗装中です。細物なので小さな刷毛で丁寧に塗装していきます。

下屋根上部の水切り板金の塗装中です。外壁色と対象に濃い茶色で塗装してメリハリがついています。

段差の深い戸箱板金は、ローラー塗装しにくいので、車両塗装用のスプレーガンで吹き付け塗装を行います。
段差の深さによってローラー塗装で仕上げる場合もあります。

周囲に塗料が飛散しない様、広い範囲を養生しています。
エンジン式のエアコンプレッサーを使用して吹き付けするので、若干の騒音が発生します。

戸箱板金の上塗り塗装を吹き付けています。
横の養生ビニールを見ると、大きく飛散していないのがお判りいただけると思います。

戸箱板金の吹き付け塗装直後の風景です。
使用しているシリコン塗料は速乾性塗料なので、同日乾燥後にビニール養生を外しておきます。
サービス施工

テラス波板のフックが劣化していたので、サービスで交換させていただきました。1時間ほどの軽作業です。

今回、屋根の塗装は行いませんが、施主様から瓦釘の浮きが心配とのご相談がありました。こういう機会にしか補強できないので、サービスで施工させていただきます。

瓦を傷つけない様注意しながら、木づちで浮いている釘を打ち込んだ後、シリコーンシーラントを盛り付けていきます。

屋根瓦全体を点検し、浮いている釘はすべて補修しておきました。ちょっとしたことですが、将来への安心につながります。
足場工事(解体)

すべての工事完了後、施主様に仕上がりを確認してもらいます。解体の許可がいただけてから、足場工事の日程調整を行います。

周囲の安全を確保しながら仮設足場を解体します。
足場の解体工事は通常半日程度で完了します。
施工完了




施主様のご希望通り、アイボリー系のさわやかな色調に仕上がりました。雨樋、破風板など縁取りになる部位を濃い茶色で塗装することでメリハリのついたデザインになりました。
外壁に使用したラジカル塗料と付帯部に使用した2液硬化型のシリコン塗料は、いずれも耐用年数15年の高耐久塗料です。
製品情報
今回の工事で使用した塗料の種類をまとめてあります。
シーリング材
ひび割れの補修に使用

さび止め塗料
付帯部の下塗りに使用

下地調整塗材
外壁の下塗りに使用

シリコン塗料
付帯部の仕上げ塗りに使用

ラジカル塗料
外壁の仕上げ塗りに使用

防カビ塗料
軒天の仕上げ塗りに使用
